紗央里ちゃんの家

紗央里ちゃんの家
矢部嵩 著

小学5年生の主人公は、夏休みを利用し、父親と一緒に、従姉の紗央里ちゃんの家に泊り行くことになります。
紗央里ちゃんの家には、祖父母(父親の両親)と叔母夫婦そして紗央里ちゃんの5人が住んでいましたが、主人公と仲が良かった祖母は、数か月前に亡くなっていました。


こんな感じの設定で始まり、主人公が父親と共に紗央里ちゃんの家に着きますが、呼び鈴をならしても反応がありません。数十分待たされた挙句、出てきた叔母さんは、なんと血まみれ。
叔母は、魚をさばいていたと言いますが、明らかに様子が変です。そして紗央里ちゃんの姿もありません。
異変を感じ、この家の秘密を探ろうとした主人公は、洗濯機の下から人間の指を発見します。
祖母の死にも疑問を持ち始めていた主人公は、この指が祖母のものか、それとも行方がわからない紗央里ちゃんのものか、さらなる調査を開始しますが・・・・。


そもそもこの少年、指を見つけた時点で大騒ぎしないところから、すでに壊れている徴候がありますが、話が進むにつれ、いよいよもって狂ってるとしか思えない行動をとりはじめす。登場人物すべて狂っています。やってることも、言ってることもよくわからなくなってきますが、そこにまた怖さを感じます。手の込んだストーリーや下手な解釈は一切不要。狂ってるやつはそれだけで怖いというシンプルかつ強烈なホラーです・

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

じいさん武勇伝

じいさん武勇伝
竹内真 著


孫の目線で、ひたすらじいさんの武勇伝を語っている、猛烈に面白い本です。
強くて厳しくて優しいじいさんです。
序盤は、わりと身近な所でじいさんが繰り広げたお話が語られます。
その後、数年の時がたち、じいさんは、なんと孫の小学校時代の担任と再婚します。
そこから外国の海で遭難。漂流生活をし、奇跡の生還をはたす話になり、そこからがクライマックスです。
宝探し。海賊。世界中を巻き込んだ大きな事件を巻き起こします。
たいくつする暇なんかありません。

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

生還者

生還者
保科昌彦 著


旅館を襲った崩落事故から奇跡の生還を遂げた者たちが、次々と謎の死を遂げていくという、なかなか面白い設定のミステリ小説です。

事故から1年が過ぎたあたりを本編として、図書司書の沢井という青年を中心に描いています。
彼も生還者の一人で、自分が計画した旅先で起こった崩落事故が原因で、最愛の人を死なせてしまったと思いこみ、ショックから立ち直ることができずにいます。

その崩落事故では、二十人以上が死に、数名の生存者が崩れた建物の隙間で救出を待っていました。そんな中、仲居の宮内が自分の罪を告白し、この崩落事故が呪いであると言い、それがきっかけで、彼らは、みずからが過去に犯した過ちを告白しあいます。

本編(事故から1年後)の途中で、崩落事故直後の生存者たち一人一人に焦点を当て、彼らが自分の罪を告白する様子が描かれます。こうした描写の中に、違和感を覚える部分があり、実はこれがトリックの大きなポイントなんですが、これ以上は書けません。

叙述トリックものとしては、とても面白かったのですが、最初に「呪い」を持ってきてしまったため、その後の展開が偶然に頼る形になってしまったような気がします。もうちょっと、わかりやすい動機で人間味のあるお話にしていただけると、すっきりしたんですけど、ホラー系のミステリが好きな人は、これくらいのほうが面白みがあっていいかもしれません。
最後までドキドキする小説でした。







テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

カテゴリ
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
リンク
カレンダー
10 | 2009/11 | 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -