転生

転生
貫井徳朗 著

主人公の和泉は、心臓移植手術をうけてから、恵梨子という見知らぬ女性を夢にみるようになった。
聴いたこともない曲の作者がわかってしまったり、絵の才能が開花したり、それが心臓移植と関係があると考えた和泉は、やってはいけないと知りつつも、ドナーの事を調べ始める。


かなり読み応えのある小説です。
自分に与えられた心臓は、交通事故でなくなった女性のもの。この限られた情報だけをたよりに、和泉はドナーと夢に出てきた恵梨子という女性が同一人物ではないかと考えます。
苦労の末に、ようやく女性の遺族との面会を果たしますが、なんと!!
あんまり詳しく書けませんが、とにかく、この移植手術には謎が多く、それを調べる和泉の身にも危険が迫り、かなりスケールが大きい話になっていきます。
移植についての問題点など、かなり奥深い内容を秘めた医療ミステリです。
心臓移植後に和泉の身に起こった不可思議な現状を、話を盛り上げるためだけの、どうでもいい出来事のままでは終わらせず、最後まで医学的に説明しようとするところは、ちょっと野暮かな〜と感じる人もいるかもしれませんが、それだけにきっちり説明つけて終わらせるところはカッコイイです。さすが貫井さんだ。信じる人は転生を信じればいいのだ!



テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

夜想

貫井徳郎 著

事故で妻子を亡くした雪籐は、物に触れることで、持ち主の情報を読み取る力をもつ、遥という女性と出会う。
遥は雪籐の境遇を読み取り涙する。その涙に、雪籐は事故以来はじめて安らぎを覚える。やがて遥を崇拝するようになった雪籐は、人の役に立ちたいと願う遥の夢をかなえるために奔走するが、次第に彼女を取り巻く環境の中に、自分の居場所がなくなりつつあることを感じはじめる。




 雪籐と遥の話と平行して、家出した娘を捜す中年女性が登場します。当てもなく東京にでてきたこの中年女性は、占いを頼るようになり、やがて遥の存在を知ることになります。もう終盤に差し掛かる辺りですが、このあたりからサスペンスのにおいが漂いはじめます。それまでは、雪籐がなんとかして遥の夢をかなえようと努力をする様子が描かれています。しかし彼女を慕い集まった者の中に、彼女を教祖としてまつりあげて、宗教団体を設立しようと考える者や、単に彼女の容姿にひかれてストーカーまがいな事をするものまで現れ、雪籐と遥は彼らの思惑に翻弄されます。そして衝撃のクライマックスへと突入していきますが、ここからは読んでのお楽しみ。
 



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ミハスの落日

貫井徳郎 著

 世界を舞台にした短編5作のミステリ

 どんでん返しというには、どの作品もちょっと弱いかもしれません。短編だからしょうがないかもしれませんけど。
 貫井さんの長編ものにあるような、人間の心の闇にせまった、ドロドロしたものがなかったのは残念です。
 世界を舞台にした、ちょっと大人の雰囲気が漂う小説です。

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